カスタマイズしたトランス

PI Expert では、作成した仕様に適合するように、完全な電力トランスの設計及び、その図面化が行われます。ただし、完全にカスタマイズしたトランスを設計して、図面化することもできます。これには、コアとボビンの組み合わせから、巻線の積み上げ構成、巻線の順序、さらには使用するマージン テープまでのすべてが含まれます。PI Expert の多数の機能の使用方法を説明する専用のヘルプ トピックが多数あり、これらのトピックは、希望どおりのトランスの設計と図面作成に役立ちます。これらの概要と分類を次に示します。

トランス

カスタマイズしたトランスの設計に関し、最も重要な部品は、コアです。PI Expert には、一般的なコアが多数用意されていますが、コア ライブラリを使用してコアのカスタム設定データを入力することもできます。このコアのカスタム設定を使用して最適化を実行することや、[コアの選択] ダイアログ ボックスを使用してコアを手動で選択することが可能です。カスタマイズしたコアを [部品ライブラリ] に追加し、これらのコアを部品セットで使用する詳細については、「コア ライブラリ」のトピックを参照してください。

カスタマイズしたトランスの設計でもう 1 つの重要な内容は、どのボビンを使用するかです。選択するボビンは、各巻線を適切に終端するのに必要なピンの数、ボビンの向き (水平または垂直など)、巻線領域など、多数の要素で決まります。PI Expert には一般的なボビンが多数用意されていますが、ボビン ライブラリを使用してユーザー独自のボビンのカスタム設定を入力した後、[ボビンの選択] ダイアログ ボックスを使用してこれらのボビンを選択することもできます。

また、[要求及びテスト] ダイアログ ボックスを使用して、耐電圧の仕様、定格一次インダクタンス (LP)、及び最大漏れインダクタンスを表示して編集することも可能です。

巻線構造

さらに、[一次及びバイアス] ダイアログ ボックスを使用して、ワイヤ サイズ、ファイラー(複数本巻き)、開始ピンと終端ピン、巻線オプションなどのすべての一次巻線パラメータを指定することもできます。[二次側] ダイアログ ボックスを使用して、使用する巻線の順序やワイヤ タイプなどの類似したパラメータをすべての二次側巻線に対して指定できます。

場合によっては、EMI の削減に役立つシールド巻線や磁束バンドをソフトウェアで自動的に設計すると選択することもできます。新しい設計ウィザードを使用している場合は、[設計設定] ダイアログ ボックスでシールドの使用を有効にすることができます。設計がすでに完了していて、シールド巻線の使用を有効または無効にする場合は、[シールド] ダイアログ ボックスを使用します。

PI Expert で生成されたトランスの材料リストを編集する場合は、[材料] ダイアログ ボックスを使用します。また、[コメント] ダイアログ ボックスで、トランスに関するコメントを編集または追加することも可能です。この 2 つのダイアログ ボックスは、わずかな変更を行う場合や、別の場所には入力できない注釈を入力する場合に使用します。

仕様

PI Expert では、出力の積み上げ構成の多数の組み合わせが最適化中に検討されます。ただし、[積み上げ] ダイアログ ボックスを使用して独自の積み上げ構成を指定することもできます。

必要な安全スペーシングの指定は、前述の [ボビンの選択] ダイアログ ボックスのみでなく、[安全規格及び熱設計] ダイアログ ボックスでも行えます。

設計

[主要パラメータ] ダイアログ ボックスを使用すると、メイン出力の二次巻線数を手動で入力することや、VOR を調整して巻線比を変更することができます。

フィードバック

一部の設計では、バイアス巻線の使用はオプションです。[設計オプション] ダイアログ ボックスを使用すると、バイアス巻線を有効または無効にすることができます。

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