電源の詳細な動作パラメータを確認及び編集するには、主要パラメータ フォームを使用します。
主要パラメータは、新規の設計が最初に最適化される際に自動的に計算されます。主要パラメータの編集は、経験のある電源設計者にのみ推奨されます。
PI デバイス ファミリーによって、変更できるパラメータは異なります。パラメータを編集するには、パラメータ ボックスの右側の計算機アイコン をクリックします。
アイコンは、カスタムのパラメータ値が入力されていることを表しています。
次の主要パラメータを使用できます。
連続/不連続動作比 (KP) は、一次電流のピーク電流に対するリップル電流の比率です。PWM デバイス ファミリー (TOPSwitch-JX/HX/GX 及び DPA-Switch) では、この値は許容制限内になるように算出され、確認されます。ON/OFF 制御のすべてのデバイス ファミリー (TinySwitch-4、TinySwitch-III、TinySwitch-II、及び LinkSwitch-XT) では、このパラメータは最小カレント リミットから算出されるもので、変更はできません。必要に応じて、PWM ベースのデバイスの場合KP の値を変更することはできます。
効率予測値 (N)、% は、出力電力の総計を入力電力の総計で割った比率です。デフォルトの値は、最小 AC 動作電圧で定義され、出力電圧により変更されます (TOPSwitch-GX の変換効率曲線については、アプリケーション ノート AN-29 を参照してください)。効率予測値の決定には、メイン出力が使用されます。テストされたプロトタイプからのデータを使用する場合に、値を変更することができます。
跳ね返り出力電圧 (VOR)、Vは、出力巻線電圧に巻線比を乗じたもので、1次側スイッチオフ時間に一次巻線に跳ね返される電圧です。VOR の最良値は、デバイスの最適化の中で設定され、主に電源のデューティ サイクルに影響を与えます。VOR のカスタム値を入力して、電源の動作特性を変更することもできます。
損失分配係数 (Z) は、一次回路と二次回路との間の電力損失 (合計損失で除した二次回路損失) 比です。PI Expert は、デバイスの電力容量に対して決められる 0.4 から 0.8 の間の値を算出します。この係数は、最小 AC 入力電圧が増加すると高くなり、DC 出力電圧が増加すると低くなります。テストされたプロトタイプからのデータを使用する場合に、値を変更することができます。
ドレイン - ソース間電圧 (VDS)、V は、導通期間の1次側スイッチによる電圧降下の予測値で、導通期間に平均化されます。さらに、正確な値をプロトタイプから使用する場合に、この値を変更することができます。
フィードバック ピン電流 (IFB)、µA は、FEEDBACK ピン (FB) に流れ込む電流です。IFB は、LED 直列電圧の変動を含む通常の動作条件下で、85 ~ 210 µA である必要があります。調光時に、フィードバック電流が低下すると、調光範囲を改善するために最大デューティ サイクルが制限されます。
最大磁束密度 (BM)、ガウスは、自動的に計算され、この値を変更することはできません。推奨される磁束密度の値を超える場合、または値が低すぎる場合、最適化の間にエラーメッセージが表示されます。
メイン巻線 (NSM) は、メイン出力の二次巻線数です。この値は変更してもよく、一次巻線は再度算出されるため VOR に影響を及ぼすことはありません。最適化プロセスは、巻線が選択されたボビンに適合するかどうかを確認しながら、自動的に出力電圧の正確さ (電源に複数の出力がある場合) と最も少ない巻数との間で最良の選択をするよう試行します。
一次巻線数 (NP) は、VOR 及びメイン巻線 (NSM) が与えられた一次巻線が、算出された数です。
一次インダクタンス (LP)、µH は、指定された出力電圧を得るのに必要な、計算された一次インダクタンスの値です。
定格一次インダクタンス (LP_nom)、µH は、計算された一次インダクタンスの標準値です。この値の特定の公差内で、磁束密度が高くなりすぎないように、電源は引き続き指定される出力電力を供給できます。
公差 (Lp_Tol)、% は、一次インダクタンス公差です。この値は変更することができます。
一次漏れインダクタンス (L_LKG)、µH は、デバイス、電力レベル、及びトランス構造にもとづいたトランスの予測漏れインダクタンスです。クランプがこの漏れの値を使用して設計されるので、プロトタイプで漏れを測定している場合、この値を上書きします。
二次配線インダクタンス (LSEC)、nH は、予測される二次配線インダクタンスです。この値は低くても、一次配線に跳ね返され、その実効インダクタンスをさらに大きくします。これは、漏れインダクタンスをもたらすため、ドレインに現れる漏れスパイクに影響を及ぼします。ソフトウェアは、クランプを設計する際にこの二次インダクタンスを考慮しています。プロトタイプで二次配線インダクタンスを測定した場合には、この値を上書きできます。