PI Expert では、設計の作成時に、指定した出力に応じて最小のコア及びボビンを使用する最適化されたトランスが自動的に設計されます。また、PI Expert では、指定したコアだけを使用して設計を最適化することもできます。設計で指定されている電力を供給できるコアとボビンを組み込まない場合、最適化は失敗します。
最適化時に使用するコアとボビンを指定するには、いくつかの方法があります。
最適化時、トランス (コアとボビンの組み合わせ) は、トランス部品ライブラリ及び部品セットを使用して規定できます。部品ライブラリでは、コア及び関連するボビンのデータを入力して、カスタマイズしたトランスを追加することができます。その後、これらのカスタマイズしたトランスを使用する部品セットを作成できます。また、部品セットに任意の組み合わせでトランスを追加または除外できます。部品セットに使用されたトランスは、ソリューション フィルタで使用できるようになります (最適化の時点でソリューション フィルタが使用可能になっている場合)。
また、ソリューション フィルタ フォームを直接使用して、使用する一定範囲のコアだけを選択することもできます。[コア開始] ドロップダウン メニューを使用して、最適化で最初に使用を試みるコアを選択します。 [コア終了] ドロップダウン メニューを使用して、最適化で最後に使用するコアを選択します。 最適化プロセスでは、この選択した範囲内の各コアが使用されます。
また、ソリューション フィルタ フォームを使用して、最適化で特定のコアを使用するように設定することもできます。この設定をするには、[コア開始] 及び [コア終了] ボックスで同じコアを選択します。
最適化で非推奨コアを使用したい場合には、非推奨コアのトランスと同じ仕様のカスタマイズしたトランスを作成します (カスタムのコアであれば最適化に使用できるため)。詳細については、「カスタマイズしたトランス」を参照してください。
最適化時にトランスの数と範囲を制限する場合は、注意してください。選択したトランスを使用して設計を正常に最適化できない場合があります。たとえば、コアの電力制限やトランスの巻線領域が不十分であることなどが原因で最適化が失敗することがあります。
PI Expert では、[積み上げ] ダイアログ ボックスで出力の積み上げ構成を変更して、手動で入力した積み上げ構成を使用して最適化を実行するなど、トランス設計をより細かく制御することができます。ただし、最適化時に使用される積み上げ構成に制約を課すと、最適化に失敗したり、指定した公差に適合しなくなる可能性があります。
[ソリューション フィルタ] を使用して、検討されるメイン二次巻線数の範囲を手動で選択することができます。[ソリューション フィルタ] で巻線の範囲の開始値と終了値を等しく設定することにより、指定した数の二次巻線がメイン出力で使用されるようにできます。最適化時に検討される巻線の範囲を変更しようとすると、最適化に失敗したり、指定した公差に適合しなくなる可能性があります。
[二次側] ダイアログ ボックスを使用すると、各巻線の二次巻線の順序、巻線ゲージまたはフォイルの厚さ、及び開始ピンと終端ピンを変更することもできます。PI Expert では、トランスの設計、構造、及び文書作成のほぼすべての面に変更を加えることができます。詳細については、「巻線構造」のヘルプ トピックを参照してください。