EMI フィルタ フォームを使用して、EMI 回路構成の確認及び編集を行います。
PI Expert には、伝導 EMI フィルタのための基本回路が用意されています。PI Expert で使用される EMI 回路は 5 種類です。PI Expert によって、出力電力とアプリケーション タイプに基づいて最適なフィルタ回路が選択されます。標準的な整流コンデンサを使用した LED 以外の用途の場合は、次のフィルタが自動的に選択されます。
3 W 未満: シンプルな π (pi) フィルタ配置が使用されます。入力容量は、最小入力容量 (CMIN) 以上で、同じ容量を持つ 2 つのコンデンサ (CIN1、CIN2) に分割されます。その後、DC プラス系統の 2 つのコンデンサの間に、適切なインダクタ (L1) が挿入されます。
3 ~ 5 W 未満: PI Expert では、上記に似た π (パイ) フィルタ配置が使用されます。DC プラス系統に加えて、DC リターンにインダクタ (L2) があります。
5 ~ 10 W 未満: この前で使用された π (パイ) フィルタにさらに変更が加えられ、リターン系統にあるインダクタと並列に抵抗 (R1) が配置されます。
10 ~ 20 W 未満: π (パイ) フィルタに似た配置で使用されるコモン モード チョーク (LCM) が、2 つの整流コンデンサ (CIN1、CIN2) 間に挿入されます。
20 W 以上: X コンデンサ (CX) が入力とニュートラル間に配置され、整流コンデンサ (CIN1) に電流を送るブリッジ整流器の前にコモン モード チョーク (LCM) が配置されます。
LED 用途の場合、次のフィルタが使用されます。
8 W 以下の場合:2 つの LC フィルタがダイオードの後に使用されます。入力容量は、2 つのコンデンサ (CIN1、CIN2) に分配されます。次に 2 つのインダクタ (EMI_L3 及び EMI_L4) が使用され、プラス系統で LC 構成が配置されます。
8 ~ 40 W の場合:X コンデンサ (EMI_CX) が使用され、2 つのインダクタが AC 側 (EMI_L1 及び EMI_L2) に追加されます。整流される側では、単一の LC フィルタが使用されます (EMI_L3 + CIN)。
40 W を超える場合:8 ~ 40 W の出力電力の場合に使用される部品に加え、コモン モード チョークが AC 側に追加されます (EMI_LCM)。
PI Expert で適切に計算が行われ、X コンデンサの放電抵抗も指定されることで、安全規格要求事項への準拠が確保されます。
注: 提供される EMI 回路方式と部品の値は、伝導 EMI フィルタのスタート ポイントです。たいていの場合、適切なマージンで仕様が適合するように、指定されたフィルタ部品とフィルタ方式で実証試験を行う必要があります。
EMI フィルタの部品を変更するには、計算機アイコン の右側にある黒い下矢印をクリックし、[変更] を選択します。
次のように、別の部品を選択できるダイアログ ボックスが表示されます。
[ディファレンシャル チョーク] ダイアログ ボックス - インダクタ用
[コンデンサ] ダイアログ ボックス - コンデンサ用
[抵抗] ダイアログ ボックス - 抵抗用
追加する部品を選択します。抵抗を変更する場合は、抵抗パラメータを編集する部品を選択します。[OK] をクリックします。
これで部品が交換されます。アイコンは、カスタマイズされたダイオードが選択されていることを示しています。デフォルトの部品に戻すには、
アイコンの右側にある黒い下矢印をクリックし、 [デフォルト] をクリックします。